2018年3月16日金曜日

残す、という行為

今回は2月のお話を。

2月いっぱいで地元にある西武百貨店が閉店になりました。
開店50年という節目での閉店。ららぽーとなどの大手ショッピングモールの影響もあってか、百貨店というのは集客が難しくなってます。(某百貨店にて勤務したことがありますが、平日や雨の日は閑散としていて、さらに良質ではありますが高価なものが多いので売り上げを伸ばすのも難しかったです。)
正直地元の西武も、平日は閑散としていましたし、休日でもそこまで混んでいるわけではなく、閉店も仕方ないといえばそうなのかもしれないです。

私としては、ランドセルを買ったのも西武だし、参考書や漫画、友人へのプレゼント、画材なども西武で買っていました。特にloftにはお世話になりました。放課後のお買い物やおさんぽついでに寄ったり。
「ある」ことが当たり前で当然すぎて、閉店なんて信じられませんでした。

そして閉店1ヶ月を切った2月、生きている姿を収めようと、フィルムを詰めました。

Canon A-1
FD24mm/F2.8
cinestill 800
Canon A-1
FD24mm/F2.8
cinestill 800
Canon A-1
FD24mm/F2.8
cinestill 800
Canon A-1
FD24mm/F2.8
PORTRA 400
Canon A-1
FD24mm/F2.8
PORTRA 400
Canon A-1
FD50mm/F1.4
PORTRA 400
Canon A-1
FD24mm/F2.8
PORTRA 400
Canon A-1
FD24mm/F2.8
PORTRA 400
そして2月28日、閉店セレモニーもなく、静かに閉店しました。

なんというか、悲しみも感じない、ただただ静かな3月を迎えました。

閉店間際の百貨店を「撮る」という行為は、自分の中に存在を「残す」という行為でした。いつもなんとなくでシャッターを切ってしまうので、自分の意思の元に撮る行為を行ってみて、被写体の記録をより鮮明に自分自身に落としていく作業なのかとそれまでのぼんやりした考えの中に少しですが意味を持てるようになりました。
生きている瞬間を残したい、そんな気持ちで撮影したので、最後は亡くなってしまった誰かを見つめるような、棺桶の中の静かな顔を見たような、現実をまだ受け止めきれないようで現実を理解したような感覚になりました。

目の前の真実を残す、飾りもせずありのままの姿で。それって素敵なことだなぁ、なんて。

建物自体はまだ残っていて、取り壊して何ができるのか、その過程も残せたらなと思っています。
Canon A-1
FD24mm/F2.8
PORTRA 400